那須与一の余罪

ブログやってる友達の日記を読んだら


平家物語』で那須与一が扇を射たとき、ついでに兵士にもささって海に落ちた
ってくだりがあるとバイトが言うが、兵士にささったことが記憶にない
南無八幡大菩薩、願わくば知っている人教えてください


という文章を発見。気になって昼も眠れず。こいつ古本屋の店長やのに自分で調べる気力が無いとか。仕方ありません。『世の中に知らないことがあるまま死にたくない』がモットーのこの僕が調べてさしあげた。


こひやうといふでう、じふにそくみつぶせ、ゆみはつよし、かぶらはうらひびくほどにながなりして、あやまたずあふぎのかなめぎは、いつすんばかりおいて、ひいふつとぞいきつたる。かぶらはうみへいりければ、あふぎはそらへぞあがりける。はるかぜにひともみふたもみもまれて、うみへさつとぞちつたりける。みなぐれなゐのあふぎの、ゆふひのかかやくに、しらなみのうへにただよひ、うきぬしづみぬゆられけるを、おきには平家ふなばたをたたいてかんじたり。くがには源氏えびらをたたいて、どよめきけり。

5 弓流し

あまりのおもしろさに、かんにたへずやおもひけん、ふねのうちより、としのよはひごじふばかんなるをのこの、くろかはをどしの鎧きたるが、しらえのなぎなたつゑにつき、あふぎたてたるところにたつて、まひすましたり。伊勢三郎義盛、よいちがうしろにあゆませよつて、「ごぢやうであるぞ。これをもまたつかまつれ」といひければ、よいちこんどはなかざしとつてつがひ、よつぴいてひやうどはなつ。まひすましたるをのこの、まつただなかを、ひやうつばといて、ふなぞこへまつさかさまにいたふす



みれば分かるように、扇を射る段と、件の兵士の話は別物です。
誰もが知ってる『扇を射る』シーンで、矢は海へ、扇は空へ舞う。平氏も源氏も、やんややんやの大騒ぎ。
拍手、喝采ちあきなおみ


盛り上がりが最高潮に達したときに船の上の平氏の兵士がひとり、踊りだします。
源氏では伊勢三郎義盛という人が与一のところへ義経からの命令状を持ってきます。内容は「やっちゃえ」と書いてあったのでしょう。船上で踊り狂う兵士に向かって射っちゃいます。そして兵士は逝っちゃいます。


きっと、この二つのエピソードがごっちゃになったものと思われます。



あと調べ物といえば、フジのテーマソングの歌詞ね。これは調査中。結果は今週末に。