出口なき迷宮

僕がまだ高校生のときの話。
歩いて帰宅していると、同じく集団下校している小学生とすれ違いました。
その中の一人がナゾナゾを出しているのが聞こえました。内容は、こう。
「魚は魚でも、ぜ〜んぶ食べられる魚は、な〜んだ?」


『ほほう、全部食べられるということは、骨も身も、尻尾もなにもかも、イッサイガッサイ食べられるってことですな?う〜ん。圧縮釜で柔らかく煮込んだ鯛?なんつって。
ふふん、あれだろ?タイヤキだろ?』


と、思考を巡らせているうちに、その子らとすれ違いました。すれ違う間にも出題された子は回答を連発しています。「カツオ!・・・違う?じゃあ、鯛!」


『おやおや、君は何も考えずに知っている魚を羅列しているだけだね?』
だけど、もうすぐ僕の導き出した答えにたどり着けそうです。そしてついに
「分かった!タイヤキ!」
『そうそう、タイヤキなら頭から尻尾まで全部食べられるからね。なかなかいいクイズだね。うふふ。』


ほのぼのした光景を見守りながら遠ざかる子供たち。しかし、出題した子供の口からとんでもない一言が!

「ぶぶ〜〜〜!!!!!」「ええ〜!わかんないよ〜。ヒントちょうだい」

間違いなく【タイヤキ】で正解だと思っていた僕も同じ気持ちでした。
すでに彼らとは、声も聞き取りづらい距離が開いていました。叫び声だから聞こえたようなもんです。歩を緩めて、出題者のヒントを待ちました。


「じゃあ、ヒント。ヒントはぁ     イジワルクイズ!


(≡д≡) ガーン


全部食べられる魚=タイヤキ ってだけでも充分にイジワルクイズの部類に入ると思いますが、(ヒント=イジワルクイズ)て。どないやねん。


結局、答えは未だに謎のままです。誰か、わかりますか?