チェーン奇声

この年末年始は大雪で、帰省ラッシュにも少なからず影響を与えたと思います。
高速道路でも自損事故多発。なぜだ!

坊やだからさ・・・

当然、スリップするからです。路面は凍結してますからね。
「えらそうにぬかす自分はどうなんじゃい」と言われそうですが、僕はたぶん大丈夫です。チェーン積んでますから。規制が出たら装着します。こう見えてもスノーボーダーなんですよ。今シーズン、一回も行ってないけど。雪道万歳。


昨シーズンのことでした。


県内のオープンしたばかりのゲレンデに向かう途中の山道で、明らかにここから先はチェーン巻かないと通れないよね、的空気がプンプンする積雪状態になってきました。実際、道の脇に止めてチェーン装着作業をしている人もチラホラ。

僕も広いところに車を止めて、チェーンの準備を始めました。こういうときの僕は結構ハイテンションです。台風接近とかで、オモテに飛び出すタイプ。いわゆるバカですね。


僕の持ってるタイヤチェーンは、それこそ紛う事なき鎖、アンドロメダ瞬のエモノかと思うくらいに「鎖」です。1人での作業なのでジャッキアップしたり色々と困難を極めます。これがネビュラチェーンだったら、勝手にタイヤに巻きついてくれるのになぁ・・・などと妄想タイムに入っていると、僕の車の前後にそれぞれ車が一台ずつ止まりました。


前にとまった車はツーリングワゴンで、後ろはミラターボ。
妄想タイムをひとまず(盟王ハーデスに体をのっとられる辺りで)やめて装着作業を続行しながら、前後の車をウキウキウォッチング。

後ろのミラターボ、小さい車ながら3人のギャルを積むという、別なポテンシャルを発揮してそうな優男が現れ、チェーン(新品)を取り出し、なにやら考え込んでます。ギャルは雪遊びしたり寒さに震えたり、優男のことなどアウト・オブ眼中。しかし、優男の悩むさまに気がついたのか、ギャルどもも一緒になって相談してます。

なにを悩んでるんだろう?と、あちらの会話にちょっと聞き耳を・・・

『この車って、どっちのタイヤにチェーン巻くんだろう?』
『説明書には、なんてかいてあるの?』
『”駆動輪に”って。でもさぁ、これ四駆なんだよね
色々考えた挙句に後輪の方へチェーンを移動させるのを見たので、イエローカードを出しに行きました。

「それ、ミラタでしょ?ベースは前駆のはずだから、前に巻いた方がいいですよ」
と、アドバイス。もう、神の啓示を受けたがごとく、表情が輝いてたね。とくに優男。


で、前に止まってるワゴンはというと、これまたチェーン(新品)を取り出して、説明書を読んでます。おそらく買ったばかりで手順どおりにやっているんでしょう、まずジャッキを引っ張り出してきて、ボディを持ち上げてます。
次の手順を確認するために、下に置いた説明書を取ろうとした瞬間、突風が吹きました。

その風が、説明書をさらっていきました。あの人、手がパーだった。たぶん口もあいてたんじゃないかな。ちょっと失禁もしてたかも。
昭和の漫画みたいだな。


そんなステキな光景を横目に、ゆうゆうと走り抜ける僕。
なぜか締め付け用のゴムをとめる金具を紛失して、マジック用に持ってたロープで応急処置したとかいうのはナイショ。

マジック万歳。

初めて買ったチェーンは、夜中のガソリンスタンドで装着の練習するといいですよ。できれば、チェーンを水で濡らして。