友人はスナイパー

ゴルフって素晴らしい。人間の本能に訴えかけるスポーツですよ。いや、本能どころか三大欲求の一つじゃないかってくらい欠かせないものでしょう。
小さなボールを打つという行為、コントロールする妙味。風や木など自然との闘い。

それよりなにより穴に玉を入れるなんて、こりゃあもう男子ならこぞってゴルフ!寝ても冷めてもゴルフ!穴に玉を出し入れ!ってなもんです。

先日の日記とずいぶんと主張が違うじゃないかとお思いでしょうが、実は僕はゴルフ好きだったんです。


高校生の頃ね。


当時、近所に水上ゴルフ場というのがあって、まあ池に向かって『打ちっぱなし』ですが、クラブも借りられるし、一回(バケツ一杯のボール)500円だしということで、日曜日なんかによく利用していました。


ある日、友人の伊藤君と打ちっぱなしに行くことに。
まぁ、二人で行ってもブース二つ使って、それぞれ別々に打つんですが。

僕はなんでも早いんで、伊藤君と同時に開始して打ってたら、僕のほうが先に終わっちゃったんです。たぶん、20球くらいの差があったと思います。

で、彼のブースの後ろで『セミプロの俺のショットを見ろ!』とか言いながらガシガシ打っているのを温かい目で見守ってました。


何球か見ていて、ふと 彼のショットのクセを盗んでやろうと思い立ち、スタンスやスイングに集中して熱いまなざしになったその刹那


ビヒュッ(スイングの音)



カーン!(ボールがブースの柱に当たる音)



シュッ!(・・・・?)


伊藤君の打ったボールが柱に当たって跳ね返り、僕の耳のわずか数センチのところをボールが掠めていきました。


数センチずれていたら、死んでいたかもしれません。実際、似たような事故で亡くなるキャディさんも多いようですし。


かかりつけだった病院の先生がゴルフ場で心臓発作を起こして亡くなったことも併せて、ゴルフというものから僕は遠ざかりました。


このことが無ければ、今頃、丸山プロに代わってPGAツアーでウイニングボールを観衆に向かって投げていたかもしれません。タイガー・ウッズとマブダチになってたかも。


人生、なにがきっかけで未来が変わるか わからないものですね。